台東では近年「産地の食卓」と「その土地のものを、その季節に味わう」というコンセプトを組み合わせたスローフード運動を推進しており、地元で採れた旬の食材を様々な調理方法を用いて作った特別な味わいの料理で注目を集めています。この記事では台東にある特別なレストランをご紹介しますので、共に台東の飲食文化を体験しましょう。

スローフードの旅に出て、台東の飲食文化を体験しましょう。七里波紅藜養生料理は台東で初めてとなるレッドキヌア料理専門店、台東の部落で日常的に食されている「レッドキヌア」という穀物を利用して健康をコンセプトにしたレストラン経営を行っているお店です。

このお店では「真空低温調理法」により食材そのものの持つ味わいを残した調理を行っています。太麻里にある製麺所にレッドキヌアの粉末を加えたもちもちとした食感が特徴のちぢれ細麺を特別に注文して製作してもらい、シンプルな出汁と鶏胸肉を合わせた「紅油椒香嫩雞乾拌麵」はこのお店の人気メニュー、もちもちの麺と新鮮な花椒の香りがする辛味ソースの組み合わせが絶妙、鶏胸肉は4時間かけて低温調理した柔らかな口当たりで誰もが好きになる味わいです。

料理に余計な添加物を使わないことはオーナーのこだわり。味付けに使用している自家製鰹醤油には台東産の鰹節を3~4時間かけて煮出すことでまろやかな旨味がきいていて、旅行で訪れた人々の体をいたわる優しい味わいが楽しめます。

台東ののどかな生活リズムを堪能し、旬の食べ物と季節の飲み物をいただき、ここにしかない日常の滋味とゆっくりとした時間を味わうことが台東スローフードを楽しむ上での醍醐味ではないでしょうか。台東森林公園や美術館からそう遠くない場所にある「草民」は台東で人気の朝食店、「農地を食卓へ」をテーマとして台東各地から取り寄せた食材で作った料理を植物園内にある飲食スペースで草花に囲まれながらいただくことのできる癒し空間です。

定番ブランチの手拍荖葉肉丸佐椒紅醬（キンマの葉を使ったミートボールのパプリカソース和え）は、キンマの葉と農家で栽培されたサラダ菜、初鹿牧場の手作り蒸し饅頭がセットになった人気のメニュー。他にも自家栽培のローゼルを使って作られたドリンクなど、台東スローフード運動を意識したメニューが食事に新たな感動をもたらしてくれます。

台東スローフード評価で一つ星を獲得した「Tanya’s 泰食餐桌」。「一人でも食べに来やすいタイ料理レストラン」をコンセプトにしたこのお店ではバッタイやガパオ、カレーといったシンプルなタイ料理をセットメニューにして提供しています。Tanya’s泰食餐桌は全ての行程を手作りで行うことにこだわりを持っており、カレーもスパイス類を炒めて挽き、粉砕したのちカレーの風味が出るまで火にかけて混ぜ合わせる所から行います。無添加にこだわり合成調味料やレトルト製品は使われていません。

当日仕入れた新鮮なハーブや食材を使用することにこだわりを持っているオーナー。セットメニューには当日仕入れた旬の新鮮な食材を使用していて季節毎のおすすめメニューなども用意されています。台東産、もしくは台湾産の食材を使用した本場と遜色ないこのタイ料理レストランは台東市の小道に東南アジア料理の美味しそうな香りを漂わせています。

2018年にオープンした漁采時令料理は「2020年台東スローフード評価」にて好評を博し二つ星を獲得しました！二十年以上日本料理を作ってきた林シェフがその熟練した料理技術と経験、計算しつくした火加減により作る料理からは日本料理の真髄を見ることができます。

漁采時令料理は關山産の寿司米や知本の海洋深層水で養殖された白エビ、成功漁港の鮮魚、台東のネーブルオレンジ、台東の山野で取れる野菜やキノコ類、牧場から直送された鶏卵といった旬の地元食材を利用し素晴らしく繊細な料理を作り出します。漁采で一番おすすめなのが旬の食材を使った季節料理、季節が変わるごとに美食家達がお店を訪れ、台東の食材を利用した食事を堪能すると共に台東で得られる食材についての理解を深めています。