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時を刻む島の記憶と移住の歴史
緑島を歩くと、目の前に広がる青い海と豊かな緑だけでなく、静かに流れる時間の痕跡を感じ取ることができる。19 世紀初頭、小琉球から来た漁民たちは強い海風に流され、この地へ漂着した。彼らは山麓に共同住居を築き、漁労と農耕を営みながら、やがて初期集落を形成していった。その後、東港など各地からの移民が相次いで開拓や伐木に加わり、漢人社会が徐々に広がり、島の暮らしの基盤が築かれていった。

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中華民国時代に入ると、緑島ではインフラ整備が進められ、漁港、空港、そして島を一周する環状道路が次々と完成した。これにより島民の生活は便利になり、観光発展のきっかけも生まれた。しかし、島内の資源には限りがあり、仕事の機会も少なかったため、多くの家庭がより安定した生活を求めて台東や花蓮へ移り住むこととなった。
人口の移動によって島の姿は変化したものの、歴史の痕跡は今なお深く残されている。古い集落、公館遺址、そして地域の長老たちが語り継ぐ開拓の記憶は、この小さな島が持つ強さとやさしさを物語っている。緑島は美しい風景の象徴であるだけでなく、過去を抱きしめ、未来へとつながる人文の島でもある。

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