旧称「パランウィ」として知られる大武郷は、パイワン族の伝統的な居住地です。歴史的には東西を結ぶ要衝であり、現在は南廻鉄道の中間地点としても知られ、この地理的な利点から「台東の玄関口」とも称されます。大武郷には原住民、閩南人、客家人、新住民など多様な文化が融合しており、山と海に囲まれた土地です。黒潮と親潮が交差する海域に位置しているため、太刀魚やシイラなど豊かな海洋資源に恵まれています。主要産業は農業と漁業であり、金龍湖大武林道漁港など、自然と文化が調和した観光スポットが点在しています。

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大武鄉 David Huang Taitung (1)

(写真提供:@david_huang_taitung)

フェーン現象のふるさとが歩む転換と記憶の継承

大武郷は台東県の南端に位置し、夏にはフェーン現象が頻繁に吹きつけ、高温の記録を更新することから「フェーン現象のふるさと」と呼ばれている。しかし、この土地の物語は気候だけにとどまらない。山脈から海岸に至るまで、大武は民族移動、歴史の道、そして地域転換の多層的な記憶を抱いている。

清代の開山撫番以来、大武は東西交通の重要な節点であった。「三條崙古道」(のちの「浸水営古道」)は中央山脈を越え、屏東と台東を結ぶ道であり、清軍、宣教師、原住民族と漢人、日本の警備隊など多くのなど多くの行跡が残され、いまも遺構が静かに時代を超えた交流を物語っている。

大武觀海步道huichuanchang

(写真提供: @huichuanchang)

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(写真提供: 南迴藝術季)

現代に入ると、大武は南迴鉄路の開通やバスターミナルの廃止・縮小を経て産業が急速に衰退した。しかし地域は歩みを止めず、古民家の再生や文化活動を通じて、本屋、ハンディクラフトの空間、旅人のための休憩所が街をつなぎ直し、土地との対話が再び始まった。渡り鳥が集まる金龍湖、再生を象徴する彩られた歩道橋、地景と観光サービスを融合させた「大武の心」など、大武は山と海を背景に、文化と暮らしの知恵をもって新たな章を書き続けている。