星空が導く壮大な航海

パラオの無動力帆船「Alingano Maisu」は、南島の航海マスターであるセサリオ氏の指揮のもと、星の測と潮流、風の流れをむという伝統的な知恵をりに、2,100キロメートル以上に及ぶ潮を横断し、台東の杉原に無事到着した。この帆船は現代の航海機器や動力装置を一切使用せず、オーストロネシア語族に代々受けがれてきた航海技術を完璧に体現し、千年の知恵が現代に蘇った象ともいえる。組員は、蘭嶼出身の張也海・夏曼氏を含む、さまざまな地域から集まった11名で構成され、民族や国境を越えた文化的行動力を示した。

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(写真提供:台東県政府)

帆船が杉原に入ると同時に、莿桐部落の竹製の爆竹と伝統的な号角の音が響き渡った。長濱のカヌーチーム、台東帆船学校、TOCC(台支架大洋洲協会)のチームが自発的に海に漕ぎ出し、この民族間のつながりを象する文化の祭典を盛大に迎した。この航海は、航海技術の歴史的な足跡を刻んだだけでなく、政府と民間が手を携え、地域全体が協力する力をも示した。

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(写真提供:台東県政府)

航海知識の現代的実践

「Alingano Maisu」は4月20日にパラオを出航し、祖先の航路を辿った。現地の人々が港に集まり見送る中、出発前の儀式で2度にわたり雨が降り、それは祖からの祝福と見なされ、旅に神聖な意味をもたらした。船は5月7日に蘭嶼に到着し、タオ族と文化交流を行ったのち、台東の杉原へと航行をけた。古代の航路を現代に再現したこの旅は、航行距離の突破だけでなく、文化的信仰と技術の融合でもあった。台東県原住民族行政の方銘総長は、「この帆船の旅はオーストロネシア語族の海を越えた結びつきの具体的な実であり、人と自然の共生の知恵が表れている」と語った。

歓迎儀式、文化の交差点

帆船が上陸する際、台東の岸ではまるで儀式のような迎の場面が繰り広げられた。アミ族の長老・劉裕義氏が祈福の儀式を執り行い、若者たちは伝統的な方法で上陸の知らせを伝達し、都蘭部落は護衛舞の演舞を披露した。台東県の饒慶鈴県長は「今回の航海はオーストロネシア民族の千年にわたる航海の知恵を再現しただけでなく、台東がオーストロネシア文化のハブとしての役割を強化するものでもあった。今後も各地と連携し、海洋文化交流を推進していく」と述べた。

オーストロネシア外交における海洋のつながり

パラオのマンニレ大臣もこの航海に同行し、台東と共に航海の夢を実現した過程を振り返った。ミクロネシア航海組織の代表は、台からの熱烈な迎にして伝統的な歌でじ、副理事長アラン・セイド氏は「千年前の故ってきたようだ」と表現した。双方は文化承を象する贈り物を交換し、深い歴史的な友情と共通の理解を示した。海洋委員会の管碧玲主委は、「今回の帆船行動は台とパラオの間で行われる伝統知識交流の模範であり、海洋がオーストロネシア文化を結ぶ架け橋となっている」と述べた。

深い交流と未来への展望

パラオの組員たちは台東到着後、長濱、都歴、都蘭など各地の部落を訪問し、7日間にわたる文化交流を実施。月桃の葉を使った編み物、ビンロウの葉鞘工芸、伝統的な漁や狩の技術の共有などを通じて、台の原住民文化の多な側面を実際に体した。

今後、台東県政府はパラオ、グアムなどとの協力を継続し、アミ族やタオ族の伝統的な船作りの技術を融合させ、台東自のオーストロネシア帆船を建造する計画である。また、杉原点に海洋教育および国際文化交流を推進していく。Alingano Maisu は5月17日にパラオへの路についたが、この言語・民族・国境を越えた文化の旅は、台東とオーストロネシア地域との関係に新たな章を開き、南島文化の未航路の出発点となった。