台東スローフードフェスティバル 2021グッドデザイン金賞受賞 |
台東でスローフード関連のイベントが開催されるようになってから5年経つ今、現地の住民や台東をこよなく愛する旅人たちの心と体中にすっかり馴染み込み、ここのライフスタイルにもなりつつあります。10月の16日から17日の二日にわたって開催されたスローフードフェスティバルは『発酵』をテーマに、いつも見慣れたお店や生産者以外に新たにメンバーに加わったブースもあり、それぞれの個性が溢れる自慢の一品をイベントで提供されました。『発酵』された食品を食べる文化は世界中に溢れており、身近なパンやお酒から日本の漬物や納豆・塩麹など、様々なバリエーションがあります。そして台東といえば7つの原住民族、そこに漢民族や客家民族、さらに海外から移住されてきた方たちが先祖代々伝わってきた異る文化の中からいろいろな発酵食物で会場を魅了し、皆楽しむことができました。 コロナ禍でイベントが難航する時間が継続し、今年台東で開催されたスローフードフェスティバルも本来の年4回から2回になってしまいましたが、沢山の困難を乗り越え、有志の方々がともに一つの信念を貫いた結果、2021年の末に国境を越えた朗報を得ました。台東スローフードフェスティバルは世界的に知名度のある日本のグッドデザイン賞で金賞を獲得することを果たしたのです。グッドデザイン賞とは一般の製品から始め、建築、ソフトウェア、システム、サービスなど、人々の暮らしを取り巻く様々な物事に贈与される栄光です。形の有無を問わず、人が何らかの理想や目的を果たすために築いた物事をもデザインと捉えて、そのクオリティを評価する賞でもあります。 ここで審査委員による評価を以下の通り抜粋させていただきます。-“台湾の台東県でスローフードをテーマにしたら、先住民族のローカルフードに行き着いたという無理のない展開。飲食店側の参加も無理なく増やしていき、台湾中から集まる来訪者に地元の食文化を体験的に伝えている。これによって飲食店側が大きな自信を持つようになったとともに、脱プラスチックや空間デザインなどフェスで学んだことを店舗での営業に反映させているところが秀逸。多くの人が楽しめる「食」を通じた学びの場になっているといえよう。この取り組みを応援し続けた台東県の姿勢も素晴らしい。”-今後もこの賞を自負して、台東のスローを世界に広めていきたいと思います。 |
台東インターナショナル スローエコノミー・カンファレンス |
スローライフについてご存知でしょうか?スローライフを語るには、まず1986年のイタリアで起きたスローフード運動について言及しなければ始まりません。当時アメリカの大手ファストフード店が初めてイタリアに進出しローマのスペイン広場で1号店を開いたが、外資のファストフード店に対する反発がやがて非常に大きな運動になり、これが伝統的な食文化を重視する後のスローフード運動に発展し、さらにそこから食文化のみならず、ライフスタイルやまちづくりを見直すスローライフが生まれました。今まであらゆることにスピードを追求してきた現代社会がこれらの運動により少しずつ着実に変化されています。 都会の喧騒や窮屈感が嫌な人々の中では新しいライフスタイルを試みる方が増えてきており、そこで台東県は「スロー・エコノミー」という新しい考え方を提唱しています。本来英語でのスローエコノミーとは景気の低迷という意味をもちますが、台東では全く違った意味があり、如何にこの『遅さ』を経済面でプラスな方向に繋げるか、我々はさまざまな提案をしています。食文化を始め、それに繋がる農業や漁業、観光などを全て含め、最終的には一つのライフスタイル、つまりスローライフにたどり着くのです。 今回はこの「スロー・エコノミー」に関する様々なテーマに沿って世界各国からインフルエンサーを集めてオンラインカンファレンスを開催します。台東の提唱するスローエコノミーとは一体どういうものか、そしてどのように自分に適したスローライフを見つけることができるか、また今後の観光業界の歩み:持続可能な観光をとのように実践することができるのか、それぞれの講演内容や意見交換が期待されています。そして日本を代表して、台東県と友好関係を持つ三重県伊賀市の岡本栄市長や鳥羽市海島遊民クラブの江崎貴久会長にオンライン登壇してもらい、伊賀市の発展や今後に繋がる持続可能なまちづくり、鳥羽市のエコツーリズムについて語っていただく予定です。三日間にわたって開催されるこのイベント、現地で参加される場合はもっと深い台東を学ぶことができるワークチョップも用意されています。 やがてもっとたくさんの人々がこのスロー・エコノミーに取り組み、人生をもっと愉しめるライフスタイルが世間に広まる日が来ることを我々は確信して、台東から発信します。 |
一度で部落の味を食べ尽くそう TTスタイルフードフェスティバル |
食べることとは生きること。朝・昼・晩の三食からアフターヌーンティー、そして夜食なども含め、違う時間に違う食べ物を五感で楽しむことができます。そして食べることもご当地の文化を知る一番の方法、特に観光を重要視している台東県では様々な食文化を堪能できます。聳え立つ海岸山脈、見渡す限り青く澄んでいる太平洋、そして176キロの長さを誇る海岸線から様々な「食」が生まれます。さらに人口の構成はとても特別であり、県内には漢民族や客家民族のほか7つの原住民族が暮らしており、まさに多文化が共存共栄しているモデルシティと言っても過言ではありません。その様々な民族の文化が持つ異なったライフスタイルがそれぞれの食文化を織り出します。そこで今回着眼するポイントとして原住民の食に関する知識や文化、そして部落に伝わる食文化をお届けしたいと思います。 2019年から始まった『TTスタイル・フード』は台東県政府の原住民族行政處が発足した台東の各部落の食をもっとたくさんの人に認識してもらう為のプロジェクトであり、台東の自然から生まれた物産や生態系と共存共栄する理念、そして台東にある7つの原住民族の伝統的な食文化を広め、さらに彼らのライフスタイルから様々な知恵を得て、最終的に台東特有の部落の食文化を発信することを目的にしたプロジェクトになります。狭長な地形を有する台東県、その中の各市町村にそれぞれ魅力的な文化を持つ原住民族が生活を送られており、その魅力を生かして飲食店を経営されている方々も多々あります。一軒一軒回ることができればそれに越したことはないのですが、現実上10日間以上は必要になります。そこで2021年の新たな試みとして、TTスタイルフードフェスティバルが開催されました。 10月9日から10日の二日間にかけて、今までこのプロジェクトに参加されてきた飲食店やご当地ツアーを提供しているお店の方々が台東市に集まり、一つの場所で全て体験できるマーケットが開かれました。竹の筒飯やイノシシの焼肉、そしてアワ酒といった原住民族の食文化をもっとも代表できるものが全部一口サイズで提供されたため、全てのお店を回って食べることができました。そして狩猟用の竹笛制作や檳榔の葉っぱで食器を作る体験など、伝統的でエコな体験が盛りだくさん。今後は毎年開催される予定ですので、一度にたくさんの原住民族の文化を堪能できる最高のイベントに、是非足を運んでみてはいかがでしょうか。 |
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※新型コロナウイルスの関係により変更がある可能性があります。詳しくは各主催者のホームページなどでご確認ください。 |