森の中のグリーンゴールド伝説
台東の森林と田畑には豊かな天然資源が秘められています。県政府の推進のもと、精油産業の変革が静かに始まっています。台湾特有の紅檜、台湾杉、台湾肖楠は、高付加価値精油産業の中核原料となっています。農業部林業及び自然保育署台東分署と璞草園の協力により、「全材利用・循環経済」の方針で産業の高度化を進め、森林資源の持続的活用と、精油に台東ならではの香りをもたらしています。
紅石歩道で間伐された柳杉の材積は2,532立方メートルに達し、以前は廃棄されていた枝葉が、県政府による産業チェーン統合のもとで、精油抽出の貴重な原料となりました。「解碼柳杉」や「解碼山林」シリーズは、間伐材を高付加価値商品に転換したものです。研究によれば、間伐植物からの精油抽出量は約3倍に達し、林業農家の収入増、農産物の価値向上、そして地域経済の発展につながっています。

(写真提供:璞草園)

(写真提供:台東県政府)

(写真提供:祥銓農創)
多様なブランドが百花繚乱
台東県政府は地元の精油ブランドの発展を積極的に支援しており、個性豊かな企業が次々と成長しています。璞草園は、台東分署と連携し、紅檜や台湾杉などの森林資源の持続可能な活用に注力。芙彤園は自然農法にこだわり、化学肥料を減らし、池上に台湾最大のラベンダー畑を設立しました。小村遠遠は台東の泰源幽谷で、茵陳蒿や欧ミントなどの地元ハーブを抽出し、蚊除けスプレーなど抗菌製品を製造しています。
祥銓農創は、沈香と牛樟精油の開発に特化し、地元農家と連携してバイオ製品の開発を支援。範樟園は知本駅付近でハーブ体験を展開し、咸豊草から抽出した精油でかゆみ止めバームを製造、農場見学とDIY体験も実施しています。政策支援とリソース統合により、多様な精油産業エコシステムが形成され、台東に新たなグリーン経済の原動力をもたらしています。


(写真提供:祥銓農創)
自然農法で生態を再生
台東県政府は、精油産業と有機農業の融合を強力に推進し、政策誘導とリソース支援で多くの企業のグリーン経済製品開発を支援しています。芙彤園は自然農法を守り、化学肥料と人工介入を減らすことで、高品質な製品を実現し、環境再生への長期的なコミットメントを示しています。
2023年、県政府の支援により、芙彤園は池上に7.8ヘクタールのラベンダー畑を造成し、台湾最大規模のラベンダー畑となりました。王志輝副県長は、これは池上郷のハーブ産業の躍進であり、地元農業の新たな挑戦を象徴すると述べました。台東のグリーン産業に新たな活力を注ぎ、農産品の付加価値を大きく高めることが期待されています。

(写真提供:小村遠遠)

(写真提供:小村遠遠)

(写真提供:小村遠遠)
体験経済:香りを巡る新たな旅
台東県政府は精油産業と観光資源の連携を積極的に推進し、体験型経済モデルを展開しています。範樟園は農場ツアーを通じてさまざまなハーブ植物を紹介。小村遠遠は泰源幽谷でパーソナルブレンド体験を提供し、来場者は自分専用のスキンケアオイルを作ることができます。芙彤園は「一畝のハーブ畑を養う」プロジェクトを打ち出し、消費者が生産過程に直接参加し、精油製品を手にする仕組みを整えました。
こうした革新的な体験型マーケティングにより、より多くの消費者が台東の精油のユニークな価値を理解し、市場拡大とブランド力の向上につながっています。
台東県政府の統計によれば、10トントラック1台分のパイナップルは11万台湾元、米は32万、釈迦頭は40万ですが、精油入りの洗沐製品は480万、純精油は4,500万に達し、付加価値は50~100倍に上ります。県政府と企業の共同努力により、台東は台湾精油産業の主要拠点となり、地域に大きな経済効果をもたらしています。