台東のコーヒー豆は山からコップの中へと香りの旅を始めています!太平洋から吹き込む潮風と山々に囲まれたこの土地で育まれたコーヒー豆からは独特の滋味と香りが楽しむことができます。

艾蘭哥爾藝文咖啡館 Ig @alanger Cafe

(写真提供:艾蘭哥爾藝文咖啡館IG @alanger_cafe_)

台東はコーヒー豆の栽培にとても適した環境を有しています。年中暖かい熱帯気候であることに加え、火山からのミネラルが豊富に含まれた肥沃な土壌があり、高海抜地域に作られたコーヒー豆の段々畑は自然が作った天然の“豆の香り製造機”であると言えるでしょう。

台東はコーヒー豆の故郷、この地で育った豆の一粒一粒には台東の魅力が詰まっています。南迴線から海岸山脈地帯に広がるコーヒー農場で生産される豆には産地ごとに違う風味と特徴があります。太麻里と大武一帯の地域で栽培されるコーヒーは島コーヒーと呼ばれ、濃厚なココアやフルーティーな香りがあり、關山や延平のような内陸で栽培されているものには高原コーヒーのキャラメルを感じさせる甘い余韻が感じられます。池上や東河地区で生産された豆からはキャラメルのような甘さと爽やかな酸味が調和した味わいを楽しめます。

優れた品質を持つ台東のコーヒー豆は地質環境の恩恵と、地元農家の人々の献身的な努力によりすばらしい成長を遂げました。県全体のコーヒー栽培面積の実に三分の一がエコサート認証を獲得している事からもエコフレンドリーな農法が台東で広く実践されていることがわかります。農家の人々は心を込めて汗をかきつつ純粋で健康的なコーヒー豆の栽培に勤しんでいます。

例えば關山鎮電光里にある“日出禾作社”ではコーヒー豆に化学物質を使用せず、加工処理なども行っていません。コーヒー果実の摘み取り作業や天日乾燥も手作業で行うことにこだわって作られており、日出禾作のコーヒーからは“部落の味”が感じられます。特に賞賛したいのは日出禾作のコーヒーが台湾で最初の“ゼロカーボンコーヒー”認証を受けていて、豆の一粒にまで環境への配慮があり深い責任を持って栽培している点です。

日出禾作 Ig@richuhezuo (1)

(写真提供:日出禾作 IG@richuhezuo )

拾光快門

(写真提供:拾光快門 )

台東県政府は近年、地元コーヒーの魅力を広める為に積極的に動いています。農家に対してエコサートやエコフレンドリーな農業に関する認証を取得する為の指導を行ない、他にも太平洋左岸台東コーヒーブランドを積極的に宣伝し、コーヒー文化を融合させた様々なイベントを展開しています。2024年7月上旬にはコーヒー好きの学生や社会人を招いて優秀作品を選ぶ第二回台東クリエイティブアイスコーヒー大会を開催する予定となっており、「台東」をイメージして想像力と技術を駆使したオリジナルコーヒーを政府協力の下製作し、台東コーヒーの持つ独特の文化的魅力がこのイベントを通して広まってゆくことが期待されています。

来たる7月20日と21日にはコーヒー好きなら見逃せない“2024南島コーヒーマルシェ”が開催されます。期間中はプロ講師によるコーヒー文化の紹介やDIYの焙煎体験、産地別コーヒーの飲み比べやバリスタによるラテアートパフォーマンス等、コーヒー好きが五感で楽しめるイベントが体験できます。

関連業者や消費者の台東コーヒーに対する情熱は衰えることを知らず、台東県政府は今年南迴や縱谷の主要産地から産出された選りすぐりのコーヒー豆を集めて“2024台東限定フレーバー”を限定品として展開し、コーヒー愛好家に台東コーヒーの持つ独特の風味を味わってもらおうと計画しています。

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(写真提供:日出禾作 IG@richuhezuo )

温かい香りから始まった台東コーヒーの物語は、農家の人々の手によって山で心を込めて栽培され、県政府やコーヒー業界により推進活動が行われ、消費者のところへと届けられてその魅力を発揮します。私たちの舌で台東コーヒーに詰まったワイルドな味と文化の美しさを味わいましょう。