美しい東台湾にある台東県は持続可能な未来の発展に向け着実に前進しています。
美しい東台湾にある台東県は持続可能な未来の発展に向け着実に前進しています。革新的な環境教育計画とコミュニティの参加により台東は自然保護分野で大きな成果を上げ、経済発展と文化継承のモデルにもなっています。台東は環境教育と持続可能な実践を組み合わせることでグリーンな原動力を形成することに成功し、地域コミュニティに持続可能な未来の発展をもたらすことに成功しました。
(写真提供:@just547)
卑南鄉に位置する東興社區(達魯瑪克部落/ダルマック部落)は台東で持続可能な発展をなしえた成功例であり、魯凱族の持つ豊富な伝統文化を守りつつ、革新的な方法で環境保護と持続可能な発展を行なっています。東興社區は再生エネルギーと有機農業を組み合わせて環境にやさしい経済モデルを作り上げました。このコミュニティは太陽エネルギー等のクリーンエネルギーを利用して炭素排出量を削減すると共に、コミュニティに副収入をもたらした全国初となる発電可能部落であり他にも有機農業、特に粟種の育種を推進しており、土地の保護だけではなく先祖より継承してきた伝統農耕の知恵もしっかりと継承しています。
東興社區はエコツーリズムと文化体験を巧みに結びつけ、観光客は小米收穫祭(粟の収穫祭)や鞦韆祭(ブランコ祭)といった伝統文化活動に参加しながら持続可能な環境行動ついて学べます。これは地域経済の活性化のみならず住民達の環境保護意識を高めることにも繋がっています。東興社區の環境教育に対する取り組みは広く認知されており、今回初めて台東県が主催する環境教育賞競争に参加した際はコミュニティ部門にて特優賞を受賞し、これは東興社區が環境教育の領域で卓越した成功を収めていることを証明しています。コミュニティは地域文化の継承を行う為、住民達に解説や保育の仕事ができるよう育成活動を行うと同時に産・官・学の領域を超えた良好な関係性を築き上げ、理想的な環境教育の場を構築しています。
(写真提供:@arttreemuseum)
台東県政府は今年、あらゆる分野における持続可能な発展に対する認識と能力を向上させる為「永續漫台東(持続可能なスロー台東)」研修プログラムを積極的に推進しました。このプログラムは環境保護の概念が含まれているのみならず、経済発展やコミュニティの公平性といった持続可能な開発の核となる概念が含まれています。台東県には現在6大環境分野をカバーした7つの認定環境教育施設があり、豊富な森林生態と原住民文化体験ができる知本自然教育センター、コミュニティの運営と有機農業の成功案を示した永安社區環境教育園區、史前文化と自然生態教育を組み合わせた卑南遺址公園、文化保存と社会環境教育に力を入れた國立台灣史前文化博物館、海岸地質教育と生態観察に特化した小野柳自然教室、そして稲作文化と食農教育を推進している關山米國學校環境教育園區などが含まれています。
(写真提供:@arttreemuseum)
(写真提供:@lina_chen_86)
今年、鸞山森林文化博物館は台湾で7箇所目の環境教育認定施設となり、台東の環境教育リソースはさらに豊かなものとなりました。延平鄉に位置したこの博物館は台湾で唯一原住民生活が体験できる公式施設となっています。博物館では革新的な体験型教育方法を採用しており、コースを突破しながら進むことで布農族の文化と森林生態について深く学ばせてくれます。訪れた人々はアバターのシーンを彷彿とさせる、楠榕(ガジュマル)の根が蔓延った「歩く木──台湾で最も良い保存状態を保つガジュマルの混合林」が作り出す幻想的な情景を目にすることができる他、ウェルカムバーベキューやアワ酒を楽しみ、森林探検や狩人体験といったアクティビティの他、伝統的な薪焼き料理や餅つきを体験し、さらには森林の持続可能性に貢献できる植樹活動にも参加できます。
(写真提供:@lina_chen_86)
東興社區の再生可能エネルギープロジェクトから鸞山森林文化博物館の文化生態教育に至るまで、この種の持続可能な保護活動は貴重な原生林を保護すると共に伝統文化の知恵や現代環境教育理念と融合し、台湾の人々に包括的でなおかつ没入できる学習体験の場を提供しています。台東の環境保護、経済発展、文化継承意識が作り出した美しいビジョンは他地域の環境教育と文化保護にもその貴重な経験を提供してくれています。