環境保護意識が高まる中、台東県政府は国連の掲げる持続可能な開発目標の実施に積極的に取り組んでいます。
環境保護意識が高まる中、台東県政府は国連の掲げる持続可能な開発目標の実施に積極的に取り組んでいます。なかでも「飲用水供給プラットフォーム」の設立により持続可能な環境作りへの重視を示し、台東県民と観光客に便利な飲用水サービスを提供する新しい持続可能な観光モデルを作っています。
現在台東県広域に481箇所の飲用水供給スポットが設置されており、スマートフォンアプリ「奉茶行動」を利用して付近の給水スポットが確認できます。清潔で安全な飲用水の提供を行うのみならず、使い捨てプラスチック製品の使用を大幅に減らすことができます。給水の際にマイボトルを利用することで、一つのプラスチック廃棄物を減らせることであり、ボトル詰めされた商品を生産する際に発生する炭素排出量の削減にも貢献します。
- 奉茶行動-アプリダウンロード
- 奉茶行動-フェイスブックファンページ
- 奉茶行動-ラインアカウント
- 奉茶行動-オフィシャルウェブサイト
特筆すべきは台東県政府が民間企業である「奉茶行動」と提携し、官民協力体制の下この革新的なモデルを作り上げ、それが実現された点であると言えるでしょう。奉茶行動は台湾の伝統的なおもてなし文化に基づき、革新的な技術によって人間味を再現した飲用水マップシステムを開発しました。このアプリは給水スポットの位置情報を即座に検索できる上、エコ活動を行うことでポイントが貯まるシステムが組み込まれていることで環境保護活動に興味を持って貰いやすい仕組みになっています。現在台湾全土に8,000箇所を超える奉茶スポットが設置されており、アプリのダウンロード件数は20万件を超え、使用される可能性のあったペットボトルを25万個以上削減することに成功しています。台東県政府が奉茶行動と協力して行なったこの計画は持続可能な発展と革新的なテクノロジーがマッチした一つの成功例であると言えるでしょう。
この環境保護コンセプトは台東の離島地域、特に緑島で大きな反響を呼びおこしています。官民かかわらず積極的にこの持続可能な計画に取り組んでおり、現在22箇所の給水スポットが宿泊施設にて設けられている事からも地元業者の環境持続可能性に対する高い注目度が現れており、綠島人權紀念園區、東部海岸國家風景區綠島遊客中心、綠島鄉公所、台東縣台東戶政事務所綠島辦公室、綠島新天地の免税店、海巡署綠島安檢所と綠島觀音洞廟等の公共施設や観光地にも飲用水設備が設けられています。また蘭嶼にも現在2箇所給水スポットが設置されており蘭嶼飲用水供給プラットフォームの飲用水マップを用いることで誰でも便利に給水スポットを確認できます。
環境部(日本の環境省に相当)は離島地域に対して10台のカウンター機能付き給水機を設置する支援を行いました。これらの給水機は周囲の景観になじむよう配慮して綠島燈塔、將軍岩、觀音洞等のランドマークに設置され、観光客が給水所を利用する際、離島特有の文化が持つ美しさを見ることができるようになっています。給水スポット情報については緑島飲用水提供プラットフォームの給水スポットマップにて簡単にチェックできます。
給水スポットを利用する人々の健康と安全を確保するため、台東県環保局は年4回の定期水質検査を実施し、厳しい水質管理を行っています。こういった持続可能計画の推進により離島の廃棄物排出量と炭素排出量を削減し環境目標を達成しただけではなく、さらに宿泊業界に大きな宣伝効果をもたらし、観光客が飲み水を取得する為の利便性をも向上させるなどこの取り組みは誰にとっても利のある結果となりました。
特に注目すべきは、600ccのペットボトル1つを削減する度に約150gの炭素排出量を削減できる点であり、カウンターを用いたリアルタイムの統計によって環境保護活動の成果が数値化して示されることでより多くの人が環境保護活動に興味を示し、この計画に参加しています。台東の美しい環境を守り続けてゆくためにもこの地を訪れる際はマイボトルを忘れずに持参し、無料給水スポットを利用することで台東の持続可能な発展に貢献してゆきましょう。