地域と海をつなぐ架け橋
東海岸の早朝、太陽が昇るその瞬間、すでに砂浜では人々が忙しく活動しています。彼らは漁師、学生、地域のボランティア、あるいは遠方から訪れた旅人。これは偶然の集まりではなく、しっかりと組織され、計画された海を守るアクションです。
台東におけるビーチクリーンは、単なる環境保全活動ではなく、人と海が向き合う深い対話でもあります。毎年6月8日の世界海の日には、台東県政府が主催となり、大規模なビーチクリーンイベントを実施。住民やボランティアに呼びかけ、海岸線の清掃を行います。2023年は、交通部観光局東部海岸国家風景区管理処および各郷鎮公所と連携し、達仁郷南田村と卑南郷杉原湾でリレー形式のクリーン活動を実施。合計450人が参加し、776.18キロの海洋ゴミが回収されました。


(写真提供:@cooldiving_official)

専門性と技術を兼ね備えた「浄海連盟」
台東県政府は、地域のダイビング事業者や学校と連携し、海岸アダプト・プログラムを推進する「浄海連盟」の構築を目指しています。今年までに、緑島郷と蘭嶼郷の計6つの事業者と学校がこのプログラムに参加し、延べ3,486.84メートルの海岸線を養護しています。
参加団体には、緑堤レジャー株式会社、朝日温泉、澎坊株式会社、および青い海の家、星夜の宿、椰油国民小学校が含まれます。彼らは定期的に養護区域を巡回し清掃するだけでなく、観光客にもクリーン活動への参加を呼びかけています。これまでに延べ106人が参加し、636.6キロの海洋ゴミを回収しました。


祖霊もエコ?文化が息づくサステナブルライフ
台東のビーチクリーンは一味違います。実際の清掃活動に加えて、文化的な継承要素が組み込まれているのです。達仁郷南田村での活動では朝5時にスタートし、地元の長老が祖霊への祈りと海への敬意を捧げる儀式を行い、人間が自然に対して抱く尊敬と感謝の気持ちを表現しました。日の出を迎えた後にようやく清掃が始まります。このような地域文化を融合したビーチクリーンは、単なる環境活動に深みを与えています。終了後には、地元のお母さんたちが手作りの朝食を用意し、参加したボランティアを労いました。参加した大亞電線ケーブル美しいふるさと基金はこう語ります:「これは単なるクリーン活動ではなく、地域性と革新性を融合させた、多様で個性的な取り組みです。」



古今の対話:考古学と海洋保全がつながる
台東県の環境教育は知識の伝達にとどまらず、過去と未来をつなぐ創造的な視点を提供しています。台東県環境教育センターは国立台湾史前文化博物館と連携し、「海洋廃棄物」をテーマにしたユニークな授業を展開。展示されている先史時代の遺物を通して、先人と海の深い関係を学び、「百年後の考古学者は私たちの何を掘り出すのか?ビニール袋?ペットボトル?それとも、さらに分解されないゴミか?」という問いを投げかけます。こうした時空を超えた視点は、環境保護への意識と責任感を効果的に刺激します。また、林業及び自然保育署が尚武村で開催した「海をきれいに、青をまもる」活動では、70名のボランティアが300キロの海洋ゴミを回収しました。
「平安を守る保安林」というインタラクティブ授業も行われ、防風・砂固定における保安林の重要性について学び、教育と行動が結びついた持続可能な未来への希望の種がまかれました。