台東県は恵まれた自然環境を有しており、毎年一千万
台東県は恵まれた自然環境を有しており、毎年一千万人近い観光客が訪れています。しかし多くの観光客が使用する燃料車両がもたらす大気汚染問題に顔を逸らす事はできません。台東・花蓮エリアの美しい自然環境をこれからも守り続けてゆく為に台東県政府は低炭素交通手段の使用を積極的に推進しており、中でも電動バイクの普及が最も顕著である事から県政府は充電ステーションを増設するよう業者に呼びかけを行なっています。現在ほとんどのバッテリー用交換式充電ステーションが市内と南迴線から縱谷線周辺エリアに集中しており、観光客は電動バイクのバッテリー切れを心配せずとも安心して利用できます。2022年以降、台東県政府は長濱鄉と成功鎮にも充電ステーションを新設しており、観光客が海岸線エリアや縱谷線周辺を一周する際、台東の新鮮な空気を吸い込みながら電動バイクの楽しさを満喫できるようになっています。
台東県環保局は充電ステーションの増設に加えて毎年異なるテーマを持った電動バイクの低炭素旅行プランを打ち出しています。例えば2023年の「海から空への海洋環境教育プラン」では成功鎮から三仙台に足を伸ばし、雄大な海の景色を楽しみながら海洋環境教育を受けられるプランになっていました。また県を跨いだ玉里神社と長濱觀景點を結ぶルートを通過するプランでは、観光客が低炭素旅行を楽しみながらこの地域の歴史や文化を学べるようになっています。今年（2024年）は台灣觀光創新協會（台湾ツーリズムイノベーション協会）と台東県池上郷が提携し、二つの魅力的な低炭素旅行プランを立ち上げました。この二つのプランは素晴らしい風景を楽しめるだけではなく、国際機関のゴールドスタンダード基準が定める炭素排出量削減（カーボンオフセット）証明を獲得しており、参加した観光客にも国際認証された炭素削減証明が与えられます。
この二路線は「炭素排出量を削減し稲田を巡る二日間の池上旅行」と「炭素排出量を削減する環境に配慮した地元農業と食を巡る三日間の池上旅行」で台灣觀光創新協會理事長の李奇嶽によると、二日間の旅行中一人当たりの炭素排出量が103キロとされており、三日間の旅行では123キロとされています。これらの数字は一見するとあまり低くないように見えますが従来の旅行方法と比較した場合、環境面に与えるメリットが顕著です。例えば家族四人で車に乗って花蓮から台東を往復した場合、180キロの距離を移動することで140キロ近い炭素排出量があるとされているので削減できる炭素排出量は相当なものとなります。さらに重要なのはこれらのプランに参加する事で台東の美しい自然風景を楽しめるだけではなく、炭素排出量削減のカーボンオフセット申請を行うことで国際認証を取得できることから「楽しみ」と「環境保護」を行える完璧な組み合わせが実現されたプランになっていると言えるでしょう。
台東県政府の取り組みは電動バイクの普及だけには止まらず、より大きな交通輸送分野である電気自動車の普及を積極的に推進しています。環境部（環境省）が発表した大気汚染防止計画の第二段階において、台東県は電気自動車の充電ステーションを増設する為の補助金を受けられる八つのモデル都市のひとつとして選ばれており、今後四年間公共駐車場等の公共エリアに充電交換ステーションを建設するために多額の投資を行い、電気自動車の利用に必要となるインフラを整備するとされています。また電気自動車の利用時、簡単に充電交換ステーションが見つけられるよう電気車両産業のウェブサイトに検索機能をつけた他、台東県の充電交換ステーションに関する情報をまとめることで電気車両利用時の利便性を高めました。こうした配慮が市民の電気車両利用意識を大幅に向上させ、低炭素交通推進の助けとなることが期待されている。
台東県環保局は今年一般市民やコミュニティグループ、政府機関、駐車場、ホテル、民宿等を対象に、さらに2回の電気車両充電ステーション設置説明会を開催し、設置や使用電力の価格設定、安全性に関する重要情報を地域住民に知ってもらい、より多くのステーション建設が行えるよう取り組んでいます。これらの努力によって県政府は不安のない電気自動車の充電環境を確立し、利用率を高めることで交通炭素排出量の削減を期待しています。これは台東の交通環境を改善させるのみならず、都市開発や人々の生活にも良い影響を与え、台東県の持続可能な開発目標をさらに推進させることでしょう。
