台東県政府が提供する台湾初の自治体による能動的なスマホアプリ「TTPush」は去年(2023年)会員登録数12万名を突破し、
仮想通貨「臺東金幣(台東コイン)」の提供は県政府からの行政通知を受信するのみならずポイントの収集や交換機能により楽しみながら利用でき、集めたコインを商品購入や駐車料金の支払いといった様々なサービスに利用できることから現在では台東のスマートEライフを全面的に支える存在となっています。
台東県政府が行政通知や経済活動活性化の為に導入した「臺東金幣(台東コイン)」は地元商店のデジタル化を助け、新しいビジネスチャンスを作り出しました。アプリを通じて市民にデジタル生活の便利さを体験してもらい県政府とのつながりを向上・強化する役割も担っています。このデジタル化により市民は各種サービスやイベント活動に関する連絡通知を自主的に受け入れるようになり、政府は周知に使用していた4億近い制作費用や通信コストを抑えられた上、本当に必要としている人に向けて行政サービスを提供できるようになり、更には削減できたこれらのコストを台東コインの発行費用へ回せたことで政府費用の削減を実現、市民の社会活動への参加意欲を高めることにも役立っています。台東コインは仮想通貨としての機能も兼ね備えており、集めたコインは県内に600ほどある特約店で購入時の割引サービスに利用できる他、アプリ会員であることを台湾全土に20箇所ほど設置されているデジタルスポットで提示する事により特別サービスを受けられます。コインの利用には非接触型決済方式が採用されていて安全性と利便性を高めています。TTPushは県政府が連絡通知や経済活動にもたらした全く新しいアイディアであると同時に市民に豊かなデジタルライフ体験をもたらしてくれるアプリです。
台東県政府国際発展及び計画処長である曹劍秋によると会員数12万人を突破したTTPushは現在も毎週およそ100人ペースで登録者が増加しており台東県の総人口数の50%を超過したと発表しました。TTPushは大多数の人が所持しているスマートフォンをプラットフォームとして使用することにより政府・企業・市民を綿密に結びつけデジタルガバナンスと生活、経済を市民に推進しています。
TTPushは公共サービスの奥行きを広げたスマート・健康・サステナビリティの三つが揃った台湾で唯一となる地方自治体向けスマートフォンアプリです。2022年には「跨平臺、跨臺東、跨國際(アプリを超えて、台東を超えて、世界を超える)」を目標に台東県以外の路上駐車料金についても台東コインを利用したオンライン決済ができるようアップグレードされ、また高齢者や外国人が使用する際ウェブページを好きな言語へ自動切り替えできるインターフェースを採用するなどユーザーフレンドリーなサービスも体験できることでしょう。他にも経済性とサステナビリティを実現させる為の教育的意義を広める事を目的とした「使用済み電池のリサイクルをコインへ変える」活動が開始されています。会員が環境保護活動に積極的に取り組む事を推奨し、環境汚染をもたらす使用済み電池の回収率を向上させると同時に経済循環の促進を促し、経済面と環境面の両方で利益をもたらす状況を作り出すことに成功しました。2023年11月からはTTPush初となる運動でコインが獲得できる新しいサービスがスタートされ、市民にウォーキングの習慣をつけることを推奨し、スマホで算出された歩数を元に日常的にどれくらいカロリーを消費しているか、そしてウォーキングによりどれだけ二酸化炭素排出量を削減したのかについて記録できます。それと同時に電子レシート利用率の普及向上を目指し、取得した電子レシートを公共福祉活動に寄付することで台東コインが入手できるサービスも行っています。
TTPushは今年サービス開始7年目を迎え、12万名を超える会員数と600を超える特約商店を持つこのサービスは「台東コイン」により市民の自主的なイベント活動への参加やサービスの利用を推進し、地元産業と協力しあって地方経済の促進を促し、SDGsの目標を達成するといった様々な効果をもたらしています。駐車料金の支払い等に利用できるコインは使用済み電池のリサイクルや各種サービス、イベント活動への参加により獲得できるシステムになっていて、これらのことからTTPushは環境に配慮したサステナブルな生活を行う事を可能にする台東独自のスローエコノミーを体現したスマートフォンアプリだと言えるでしょう。