四方を海に囲まれた緑島では、素潜りによる魚捕りが古くから島の漁民の生計を支えてきた。海人たちは息を止めて海に潜り、魚槍と体力を頼りにサンゴ礁の魚を捕らえる。かつては漁獲も豊富で、海に出て一時間ほどで千〜二千元ほどの収入になることも珍しくなかった。しかし夜間の潜水漁が広がるにつれ、過度な捕獲がサンゴ礁の魚群に深刻な影響を与えるようになった。ベテラン漁師たちも、この十年で漁獲量がすっかり減ったと語る。海の魚は年々少なくなり、かつてのように尽きることのない資源ではなくなった。緑島の海は、静かに警鐘を鳴らし始めている。

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ナポレオンフィッシュ事件がもたらした警鐘
緑島の海洋生態に社会の注目が集まるきっかけとなったのは、保護対象となる魚の密猟事件である。2016年、緑島の民宿経営者が魚槍でナポレオンフィッシュを捕獲した写真をSNSに投稿し、調査の結果、野生動物保育法違反として懲役六か月と三十万元の罰金が科された。ナポレオンフィッシュとカンムリブダイは、台湾で保護対象となっている数少ない硬骨魚類である。前者は絶滅危惧、後者は危急種に分類され、台湾海域で確認されたカンムリブダイは一時三十尾にも満たなかった。これらの事件は社会的な批判を呼び、漁の文化と生態保全の関係を改めて見つめ直す契機となった。

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魚を見る島へ
現在の緑島では、産業の重心が伝統的な漁業から観光と海洋教育へと移りつつある。かつて潜水漁を行っていた海人たちは、石朗や柴口といったダイビングエリアでは魚を捕らないよう配慮し、観光客が海中の色とりどりの魚を観察できる環境を守ってきた。異なる産業を尊重するこの姿勢は、島の転換の方向を示している。経験豊かな漁師たちも、緑島が観光の島へと発展していく流れを受け入れている。若い世代はダイビングガイドや自然解説に携わり、海の知識を旅の体験として伝えている。


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