緑島は台東の沖合18海里に位置する、台湾で4番目に大きな島である。黒潮が流れ、年間平均気温は約23度。海水の透明度も高く、島の周囲には硬い海底基盤と豊かなサンゴ礁が広がり、台湾の重要なサンゴ礁海域の一つとなっている。この海底の庭園は「海の熱帯雨林」とも呼ばれ、魚たちにすみかや餌場、繁殖場所を提供するとともに、かつての緑島の漁業、そして近年の観光を支えてきた。一方で、毎年30万人から40万人の観光客が訪れることに加え、台風や海水温の異常も重なり、サンゴは大きな負担を受けている。2024年後半には台風クラトーンと台風コンレイが相次いで襲来した。翌年6月に行われたサンゴ礁健康調査では、大白沙亀湾石朗の多くの調査線で造礁サンゴ被度の低下傾向が確認された。幸い、亀湾の水深10メートル地点では生サンゴ被度が76.9%に達しており、この海には今もなお豊かな生命力が残されていることをうかがわせる。

台湾・緑島のサンゴ礁でウミトサカの横にいるダイバー、台東沖

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台東沖・緑島のサンゴ再生調査でサンゴ群を観察するダイバー、2025年

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500株のサンゴを、一株ずつ海底へ植え戻す

本当の意味での再生は、短期間で実現できるものではない。2022年、緑島漁業資源保護区のサンゴ礁が、南寮漁港の工事船による投錨で損傷した。台東県政府農業処は同年9月から3回にわたり石朗海域へ潜水し、礁盤の損傷状況を記録した。その結果、石朗区域内の水深約12メートルにある一つの方形区画が移植場所として選ばれた。2025年6月、海水温が約29度の中、研究チームは炭酸カルシウム製のサンゴ移植ブロックを使い、枝状、葉状、塊状の3種類のサンゴを一つずつ礁盤へ固定した。移植したサンゴは合計500株に達し、当初の再生目標を達成した。ただし、これで終わりではない。研究チームは毎年7月から9月にかけて継続して観測を行い、一つひとつのサンゴの生存状況を記録する必要がある。その後、ノンパラメトリック統計手法を用いて生存率を分析し、再生の成果を科学的に検証していく。

台東沖・緑島の再生されたサンゴ群の中を泳ぐダイバー

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台東沖・緑島のサンゴ礁でヒメジの群れと泳ぐダイバー

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漁会、ダイビングショップや科学者が見つめる同じ海

この海を守るために必要なのは、一つの組織だけの力ではない。2022年、国家科学及技術委員会と中央研究院は、緑島海洋研究ステーションに長期社会生態観測拠点を設置した。さらに2024年初には「緑島海域生態復元活動」の発足につながり、漁業と観光が共生する可能性が生まれている。研究チームは、北側の公館と南側の亀湾に海洋気象観測ブイを設置し、水温や海流のデータをリアルタイムで収集している。藍莎潜水センターも長年にわたり、毎年のサンゴ礁健康調査を支援してきた。ボランティアのダイバーたちは大白沙、亀湾、石朗の海へ潜り、サンゴや魚類の変化を記録している。亀湾では、約16匹のカンムリブダイの群れと幸運にもすれ違ったことがある。漁業の側では、漁会が海漁基金会と協力して水揚げ申告を広め、地域の漁業に関する長期的なデータを少しずつ蓄積している。一回一回の漁で得られる記録が、この海を理解するための手がかりになっていく。

台東沖・緑島のサンゴ礁で黄色い魚の群れと泳ぐダイバー

(Photo credit: hungood_)

台東沖・緑島の岩礁とサンゴ礁の浅瀬を空撮
台東沖・緑島の海岸線でシュノーケラーとサンゴ礁の浅瀬を空撮

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台東沖・緑島のサンゴ礁を泳ぐ魚の群れ

(Photo credit: lookinggoodgina66)

海の中へ、やさしさを持ち込む

観光と保全は、必ずしもどちらか一方を選ぶものではない。ダイビングやシュノーケリングの際に、サンゴを踏まない、砂を巻き上げない、サンゴとの適切な距離を保つ、サンゴ礁に配慮した日焼け止めを使う。こうしたことを意識するだけでも、礁域への負担を大きく減らすことができる。水中でサンゴの白化を見つけた場合は、海洋保全ネットを通じてサンゴの健康状態を報告し、市民科学に参加することもできる。四半期ごとに行われる汚水浄化施設の水質監視や、今後緑島に設置される予定の海洋保全巡視員など、一つひとつは小さく見える取り組みも、互いにつながることで、この青い海を長く守るための網となっていく。