台東県環境保護局が率先して全国に推進している「台東縣活動減廢指引(台東県イベント廃棄物削減ガイドライン)」は革新的な環境保護モデルと言えるでしょう。この政策は公共機関や学校が主催するイベントで使用される使い捨て食器や飲料容器の使用を大幅に削減することで美しい台東の大自然を守る為の実践的な行動をとることを目的としています。
「イベント廃棄物削減ガイドライン」は2023年1月に実施されて以来、既に一万件を超える使い捨て廃棄物の削減に成功するという目覚ましい効果を挙げています。2023年に開催された「台東減廢生活節」には2,000名を超える参加者が集まり1,025キロのリサイクル物資を回収し、200キロ以上の使い捨て廃棄物使用量を削減しました。政府はこれらのイベントを通して市民に衣・食・住・交通といったあらゆる場面で環境保護を実践する考えを持たせることに成功し、台東県はイベントを通して2023年全体で16.64万件の使い捨て廃棄物を削減し2.7万人に影響を与えるという明確な廃棄物削減効果を示しました。
2024年に開催された「台東減廢生活節×夏季熊廢二手市集(Taitung Zero-Waste Festival)」は廃棄物削減ガイドラインの概念を全面的に押し出したイベントで、延べ1,500人が参加し会場では186.5キロの廃棄物と13,000件以上の使い捨て用品の使用を削減しました。イベントで排出された廃棄物量はたったの2キロだったことからも廃棄物削減に対する市民の強い支持と決意が示されるイベントとなりました。当日は環境保護をテーマにした70のブースが設置され、食器レンタル店や食器の洗い場、中古品の交換所や小型家電製品の修理所といった革新的なサービスも提供され、資源のリサイクルが効果的に促進されたと言えるでしょう。
上記のような大型イベント以外にも台東県環保局は廃棄物削減と資源リサイクル推進を促進させるイベントを定期的に行っています。例えば「089快樂農場蔬果市集」ではエコバッグの利用を呼びかける他、鹿野地区で廃農薬の空容器回収を行い正しいリサイクル手順を伝え広めています。「書書果實市集」は食器レンタル率の向上に貢献し8,082件の使い捨て用品を削減、これは128.61キロの廃棄物削減量に相当します。これらのたゆまない努力により2024年は20万件を超える使い捨て廃棄物を削減できる見込みとなっており、これは5,000本の木が一年間で吸収する炭素量に相当する削減効果があると期待されています。
台東県環保局では積極的に廃棄物削減政策を行う為の指導を公共機関や学校で行っており、2023年3月に開催された説明会には55の組織が参加し、廃棄物削減方法や解決策についての討論が行われました。このように政府機関や学校をメインにした改革を行うことで社会的影響力を拡大し、持続可能な資源のリサイクルを推進するという長期目標にも取り組んでいます。
環保局は今後「台東県イベント廃棄物削減ガイドライン」の内容をブラッシュアップして集めたデータの分析を行うことで廃棄物削減の方向性と目標をしっかりと把握し、廃棄物削減をただのスローガンでなく実際に行動をとることで台東を持続可能な環境に優しい都市に成長させてゆきます。
台東県における廃棄物削減の歩みは環境政策を推進する地方政府の革新的な思想と実行力を有り余るほどに示しています。明確なガイドラインを設定することによりさまざまな活動を推進し、科学技術を応用しながら教育を行う事により台東は官民双方が力を合わせて持続可能な未来に向けて協力してゆく関係性を築き上げることに成功しました。包括的な廃棄物削減戦略は廃棄物の産出を減少させる効果があるだけではなく、市民の環境保護に対する意識を育て、台湾の環境保護事業の新たな基準となっています。