台湾東部の海域では30種以上の鯨類が記録されており、世界の鯨類種数のおよそ3分の1を占めています。そのうち台東周辺の海域では20種以上が確認され、ハシナガイルカ、ハナゴンドウ、マダライルカ、ハンドウイルカのほか、マッコウクジラやザトウクジラが姿を見せることもあります。しかし、ホエールウォッチングの発展に伴い、船舶の長時間接近や騒音の影響により、鯨類は次第に沖合へ移動するようになりました。これを受け、海洋保育署は「台湾海域ホエールウォッチング友善ガイドライン」を発表し、中華鯨豚協会も解説者育成や「WhaleFinder 尋鯨任務」アプリの推進を通じて、鯨を追いかける観光から、自然のリズムと共に体験する海上体験へと転換を図っています。

(写真提供:晉領號)

(写真提供:晉領號)
晉領號とともに太平洋へ
成功鎮に拠点を置く晉領號は、台東におけるクジラに優しいホエールウォッチングを代表する船社で、2008年よりホエールウォッチング認証を取得しています。船長は幼少期から東海岸で育ち、海への情熱を実践へと変えてきました。航程は陸上での事前解説から始まり、鯨類の種類や識別方法を紹介します。出航後は経験豊富な船長が直接案内し、東部海域の海流環境や生態の特色を解説します。成功沖では鯨類の発見率は8〜9割に達し、所要時間は約2〜2.5時間。毎年5月から10月が最適な観察シーズンです。晉領號は鯨類を追い回さない運航方針を貫き、2024年にGTSグリーントラベル標章(GTS)1つ星、2025年には銀級(シルバー)認証を取得し、学びと感動が共鳴する航海を提供しています。

(写真提供:晉領號)
海洋環境教室:東海岸を知る第一歩
陸に戻った後は、成功鎮の新港漁港そばにある海洋環境教室で、海の探究を続けることができます。東部海岸国家風景区管理処が設立したこの施設では、熱帯斑イルカの全身骨格標本を展示し、映像や音声による体験を通じて、東海岸で見られる鯨類の生態や習性を深く学ぶことができます。館内には成功旗魚文化区も設けられ、台東の回遊魚、旗魚の種類、各種漁具や漁法を紹介し、成功鎮ならではの漁業文化を伝えています。屋外には大型の3D旗魚(カジキ)床絵や、伝統的な「突きん棒漁」を再現した仿真鏢魚台(突き台)があり、来訪者は実際に台に登って地域の無形文化資産を体験し、海に挑む漁師の冒険精神を感じることができます。

(写真提供:@f091451)
無料ガイドと多彩な体験プログラム
海洋環境教室では、毎日午前10時と午後1時30分の2回、無料ガイドツアーを実施しています。また、10名以上の団体には環境教育課程やDIY体験を含むカスタマイズプログラムも提供しています。親子で海洋生態を学びたい家族連れや、海洋問題に関心のある海外旅行者にとって、台東海岸を理解する最適な拠点となり、海上の体験を陸へと広げ、より深い学びと感動をもたらします。
期待に応える海の旅
晉領號のクジラに優しいホエールウォッチング航程から、海洋環境教室の生態ガイドまで、台東東海岸は海と親しむ多様な方法を提供しています。壮大な山海の景観に加え、豊かな漁村文化と生態の物語が息づくこの地は、自然を尊重する姿勢で臨む、出会いは約束されていなくても、心から期待する価値のある「尋鯨任務」へと、旅人を誘います。







