台東は10年にわたりスローフード運動の推進に取り組みその成果を挙げており、今年台湾初となる県レベルで取り組む国際支部「国際スローフード台東支部」の設立が決定した。
同支部設立メンバーの一人でもある台東県県長饒慶鈴は自らチームを率いてイタリアで開催されるスローフード国際会議に参加し、台東の飲食文化が持つ多様性とスローフードの実績を世界に向けてアピールする。今後この支部は台東の各地域と連携し、海外と同じペースでスローフード運動を推進・拡大してゆく役割を担うこととなっている。
4月15日に開催された「国際スローフード台東支部およびスローフード国際会議台東代表チーム発表記者会」では台東支部設立の重要性を紹介すると共に、スローフード運動創始者であるCarlo Petrini氏、そしてスローフード本部主席渡邉めぐみ氏よりビデオメッセージをいただき、次の10年における台東スローフードの素晴らしい活躍に期待する旨の祝辞が述べられた。
饒慶鈴県長は昨年(2023)台東初となるスローフード国際シンポジウムが開催された際はイタリアに所在地を置くスローフード本部の幹部やインドとフィリピンから多くのスローフード実践者の訪問があり、台東が取り組んできたスローフードの成果が認められたと話した。今年は他にも9月にイタリアのトリノで二年に一度開催されるスローフード国際会議に7名のスローフードシェフと粟やコーヒーといった部落の特産品を持参して参加し、台東スローフードの成果を紹介すると共に国際交流や学習の機会を設けることで世界との繋がりをさらに深めてゆくことが期待されている。
台東県政府農業處は台東がこの10年間でスローフード推進に必要な能力を十分に蓄積してきたとして台東支部設立の承認を行ってくれた事を感謝すると共に、これは深い責任を持つ重要な使命であり、今後国際スローフード台東支部が国際スローフード機関と交流してゆく為の重要な架け橋となることを信じていると述べた。