2017年の夏。台11線沿いに広がる海の青さと海岸沿いの山脈を覆う薄霧が、夏の熱気と北上する中、遠くイギリスから成功の町に移住したイギリスの家族がいました。

Simon Foster

サイモンさん(Simon)とトットさん(Tot)は、イギリス夫婦で、二人の可愛い女の子、サーシャちゃん(Sasha)とモリーちゃん(Molly)と成功からそれほど遠くない村に住んでいます。太陽の光が少なく、年中温度が低いヨーロッパに比べ、台東には明確な四季があり、夏日の下では日光浴もでき、その時間は、至福のひとときとなっています。この家族を訪問した時は、ちょうど正午を過ぎた頃でした。人々が皆、クーラーの効いた部屋で避暑をするような時間帯にも関わらず、トットさんは、午後の暑さを全く感じさせずにコーラを片手に満面の笑みを浮かべ、玄関先の庇にたたずみ、私たちの訪問を待っていました。

彼女らは、長い間、台湾に住んでいましたが、高雄から台東に引っ越してきたのは、ほんの二年ほど前のことです。トットさんに、なぜ台東の地に定住しようと思ったのかと質問したところ、「台東の綺麗で静かなところ、そして自然に溢れたスローライフに惹かれました。特に、美しい海岸が大好きです!」と、弾けるような笑顔で、まるで考える必要がないかのように、台東に惹かれた理由をすぐに答えてくれました。そんなトットさんの隣で、母親の近くをせわしなく行ったり来たりしていたのは、現在、成功小学校の一年生の長女のサーシャちゃんでした。彼女は、クラスで唯一の金髪で青い眼をした外国の学生だったので、当初は皆の注目の的でした。「ここに住む外国人は少ないので、引っ越してきた当初は、地元の住民が、わざわざ車で玄関先まで私たちを見物しにきていたこともありました…。」と、トットさんは話してくれました。長い時間をかけ、隣人と付き合い、人々の好奇心を馴れ親しい関係に変え、今では、料理を交換する仲にまでなりました。トットさんの二人の娘も、東方の地元料理が大好きだそうです。トットさんは、少し悔しそうに、娘たちが中華料理好きで、サーシャちゃんもよく『学校のお婆ちゃんの料理が、お母さんのよりも美味しい』とよく言っていると話してくれました。サーシャちゃんは、学校での生活にもすごく馴染んでいて、友達と楽しく遊んでいるそうです。インタビューの合間に、サーシャちゃんに、台東のどこが一番好きかを尋ねてみました。すると、彼女は大きな青い瞳で瞬きしながら、首を傾げ、「三仙台、溫泉、東河包子、海辺……」と答えながら、いそいそと自転車で近所へと遊びに行ってしまいました。

トットさんとシモンさんは、旅行本の作家で、台湾のあちこちを旅行するのが好きで、台湾の英語旅行指南「The Rough Guide to Taiwan」を出版したこともあります。彼女らは、台東に住んだことがなかったにも関わらず、山と海の大自然に囲まれ、静かで和やかな町の成功の土地に定住し、新作の準備をしています。「台東には、原住民の豊年祭などの魅力あるものが沢山あり、ぜひ外国の友達にも紹介したいんです!」トットさんは、友達が原住民の伝統的な服装、歌や踊り、そして原住民の料理などに非常に興味があり、豊年祭に参加したがっていうることを教えてくれました。豊年祭の英語の情報は、まだ少ないこともあり、豊年祭に訪れる外国人が少ないのが現状です。もし、インターネット上の英語の宣伝が増えれば、もっと多くの外国人が豊年祭に興味を持ち、参加するきっかけになるかもしれません!

Simon Foster

インタビューの時間も終わりに近づいた頃、次女のモリーちゃんが挨拶にきてくれました。モリーちゃんは、少し恥ずかしがっていましたが、お母さんに甘えるとすぐに、眩しい笑顔を見せ、そして、すぐに近所のお姉ちゃんを追いかけて遊びに行ってしまいました。トットさんは、楽しく遊ぶ娘の姿を見ながら、「ここに住めて、すごく幸せです。ここで、あの子達の成長が見られて本当に嬉しいです!」と感慨深く話してくれました。成功の小さな町で、目立つことなく楽しく暮らしているイギリスの家族は、台東の静かな環境と自然の美しさに包まれ、台東の暮らしや文化の違いを賞賛し、生活に満足しながら暮らし、台東人にしか味わえない幸福感を、日常生活の中で探し出し、体感しています。あなたにも、この幸せが感じられますか?