人生の大半を一つの国で生活する大部分の人々からすれば、故郷を離れ、これからの未来を自分が生まれ育った環境とは全く異なる場所で歩むなど想像すらできないことでしょう。
現在、東海国小(東海小学校)で英語教師をしているAdam Matzは、フルブライト・プログラムの紹介で台東に赴任していますが、1999年に初めて台湾を訪れたAdamは、台湾と切っても切れない縁と結ばれていたのです。
「その頃、ちょうど卒業して間も無く、仕事を探していたんです。韓国、台湾、そして中国の3つの国が選択できたんですが、そこで台湾を選びました。」Adamは「韓国と私の故郷、シアトルはすごく似ていて、ドキドキ感や特別な場所もなかったので、台湾に来ようと決めたんです。」とゆっくりと話してくれました。
台東以外にも、台中や新竹などに住んでいたことがあるAdamですが、初めて台東に足を踏み入れた時の印象は「すごく田舎だ」でした。2006年に台東に来た時は、英語の標識が少なく、「中国語が全くできない外国人からしたら、旅行がとても不便だ」と思ったそうです。幸いなことに、Adamは東海大学で中国語課程を修得していたため、言葉のコミュニケーションもスムーズで、中国語の読み書きもある程度できたので、台東の地元の生活に馴染むまで時間はかかりませんでした。
「ランニングが好きなので、何度かマラソンに参加したことがあります。」アウトドア派の人ならば、サイクリングやランニングなどが楽しめる台東で暮らせる事は、幸せなことです。「西部のマラソンに参加したこともあります。もちろん、楽しかったんですが、PM2.5の影響があるからね」とユーモラスに話すのも彼の個性です。子供たちも、こんなユーモアたっぷりの彼の授業が大好きです。Adamは台湾に来てから、ずっと英語を教える仕事に従事しています。2011年と2013年には、台東の子供たちとマイクロソフトの会社の「Partners in Learning」に参加し、グローバル教育フォーラム賞を受賞しました。これは、山の向こう側に住む台東の子供たちでも、優秀なパフォーマンスができることを意味し、子供たちの大きな自信にもなりました。
「台東は、世界で一番美しい場所の一つです。」
Adamは、リゾート地のハワイと台東を比較して「ハワイは、お金がかかるし、人口密度も高すぎます。でも、台東は違いますね。山や海が見たければ、お金も時間もかけずに見られるので、観光旅行の発展場所にはもってこいの場所です。」とマイペースに話してくれました。彼の話からも分かるように、初めは田舎だと思っていた場所が、実はとても美しく、探索するに相応しい場所でもあったのです。
運動の習慣の他にも、Adamは「Taiwan Style西方與東方的巧遇」というブログをやっています。ブログには、彼の台東生活の出来事が感情豊かに記されているだけでなく、台東の旅行の地元ならではの情報が中国語と英語で書かれています。多くの外国の旅行者が「台東」というキーワードを検索して、彼のブログを見て、台東観光の質問をするそうです。なかには、彼を「台東通」として旅行と全く関係のない質問をする人もいるそうです。
「もし、台東がグローバル化をするなら、英語環境を作ることがとても重要です」とAdamは真面目な表情でこの結論を述べています。中国語ができる外国人にとっては、台東の生活はとても快適な生活ですが、Adamの外国の友達のほとんどは中国語が分からず、少しばかり不便なところがあると言います。例えば、英語しかわからない人がレストランに行って注文しようとすると、メニューが何かの呪文見えてしまうなんてこともあるそうです。Adamにとって、台東はどのリゾートよりも素晴らしい場所ですが、彼は、外国人の立場からアドバイスをして、台東の面白さを伝えたいと願っています。
Mark Adamのブログを訪問して、彼の台東生活を見てみよう!