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お米ってこんなに美味しいんだ! -王群翔慢食家宴

「你吃飯沒有(ご飯食べた)?」この一言は台湾でよく使う挨拶言葉であり、もとより「ご飯を食べる」ことは日々の生活の一部ではありますが、「ご飯」は知らず知らずのうちに食の脇役になってしまいました。「王群翔慢食家宴」ではお米を主役に打ち出し、お客さんに「ちゃんとご飯を食べる」体験を提供しています。ここで食事をすれば、あなたはきっと身に染みるほどお米の味が記憶に残り、池上米の香りと味に与えられた感動の余韻が舌に残ります。

王群翔慢食家宴

お米の為に移住し、よりよい生活を追求する

人は皆オーナー王群翔さんのことを「翔哥(翔兄さん)」と呼び、元は台北にあるフランス料理店でシェフをしていましたが、長期間厨房で煙の中働いた事により咳が止まらなくなってしまい、そんな折家族旅行で来た台東で揺れる稲穂の香りと清涼な空気に触れ、不思議なことに薬を用いなくても咳が止まるようになったのです。健康、そして子供が美しい自然環境の中で成長していける様、王群翔さんは台北から台東へ移住し、友達の紹介の元、2012年に開催された“產地餐桌計畫”(「産地の食をテーブルに」計画)に参加した事から池上米とのご縁が生まれ、お酒の肴ではなく米の肴になるような料理を一つ、また一つと創り出しています。

王群翔慢食家宴

友達の家でごはんを食べるような体験、お米の宴

王群翔慢食家宴は早い内から食通の方達に認められ、最近は予約の絶えない人気店となりました。翔兄さんと奥さんは初めて訪れるお客さんには予約時、必ず親切に一言「ここはフランス料理やメニューのないレストランなどではありません、『自分の家』のような店ですよ」と紹介します。翔兄さんのレストランの名前にある「家宴」、それは家を訪れたお客さんの為に料理をふるまう席と言う意味合いを持ち、決してレストランを経営しているのではなく、ただお客さんに楽しく食事をして欲しいと思っているからです。訪れたお客さんがその飾り気のない民家に足を踏み入れ、まさに自宅のような陳列が目に映り、オシャレな内装がない反面にアットホーム感を楽しめます。真ん中には10名程が使用できる長テーブルが置かれ、厨房からはご飯とおかずの香りが漂い、本当に友達の家にご飯を食べに来たような気分にさせてくれます。

王群翔慢食家宴

ご飯を「味わう」という楽しみ方 -池上産米独特の香り

「私たちは普段、お茶やお酒を嗜む時、きちんと味わいその産地やそれぞれに持つ風味について吟味するのに、何故毎日食べるご飯に対しては同じ事をしないのでしょう?」王群翔は料理を提供するにあたり、お客さんがお酒を飲む時のようにご飯を「味わって」食べて欲しいと考え、細かくなるまで咀嚼し、ご飯の味と弾力を感じてもらうことを重視しています。彼が使用する「高雄139号」と言う米は池上米の品種の一つであり、粒は短く丸く見た目は不恰好ですが味は抜群なので「醜美人(ブス美人)」と評されています。翔兄さんは研究した結果、このお米が煮炊きに強く、焼き飯、リゾットなどにとても適していることに気付きました。そして「米飯コース」-白飯、焼き飯、リゾットの三種類の料理方法で池上米の独特の風味を引き出し提供しています。

王群翔慢食家宴

誰もが褒め称える「米飯三部作」

最初に食卓に出されるのはなんの変哲もないただの白ごはん、ここはまずお客さんに池上米の持つ味と香りを味わってもらいます。お米は一粒一粒が水晶のように透き通り、口に運んで咀嚼すると、お米の純粋な香りが口の中に充満します。もちもちで弾力がありながらもその粒々感をしっかりと感じられる口当たりで、噛むごとに香りが増してゆく。上から葱油を一垂らしするとその味はもう絶品。「パエリア」にするとまた違ったお米の香りを楽しむことができ、翔兄さんはまずスパイスを生米と一緒に炒め、半分ほど熱が通った状態でオーブンに移して焼くことで食材の甘さが米粒にしっかりと染み込む。爽やかさの中におこげの香ばしい香りが合わさって、少し焼きビビンパのような香りがしてきます。フィナーレはトリュフリゾット。翔兄さんは独自の製法で取ったスープでお米を煮て、後からクリームとキノコ類を加え、米粒とスープが完全に一体となりつつも、粒感がある状態をキープします。リゾットを口に含むと、香り高いスープをふんだんに含んだお米から感じるのは思わず頬を緩めてしまうような素晴らしい香り、思わず目を閉じて味わいたくなるような最高の美味しさです!翔兄さんは食材の味を引き出す調理方法を熟知しており、他にもお米のスープ、鬼頭刀(シイラ)のポワレ、龍鬚菜(ハヤトウリ)のサラダに「殺千刀豬排(包丁が壊れるほど叩いて柔らかくしたトンカツ)」など、メニューはどれも食指が動くものばかりです!

翔兄さんはお客さん一人一人を友達のように熱心に食材の知識と調理方法を教えてくれます。一食の美味しいご飯に人情味までも詰まっている、まさに「好好吃飯,就是好好生活。(美味しいご飯こそが良い生活)」お米は食事について考える一つのきっかけのみであり、翔兄さんはもっと沢山の人々が食物の本当の味について考え、毎日食べている一食のごはんを心から味わって食べられるような、丁寧な生活をして欲しいと考えています。