台東で海の幸を味わい農家で遊ぶルート—成功鎮で一味違うディープな旅に出かけよう

成功鎮は木虌果（ナンバンカラスウリ）の産地としても有名です。形状がスッポンに似ていることから又の名を「木鱉果（スッポンの実）」とも言い、健康に気を使っている人にとって見逃せない果実です！近年アメリカ農務省（USDA）がこの植物には食物繊維、カロチン、ビタミンEといった人体に必要な栄養素が豊富に含まれていることを証明し、中でも心臓血管に有益とされているリコピンの含有量がトマトの70倍もあり栄養価値が非常に高いことから欧米では「天国から来た果実」と評されているスーパーフードです。台東はナンバンカラスウリの原産地の一つで、アミ族にとっては日常的に使用している食材です。成功鎮農会は近年東海岸をナンバンカラスウリの里として積極的に広めていて、その一環として手作り体験教室も行っており、参加申し込みをすればナンバンカラスウリヌガーの作り方を教えてもらえます。マシュマロとミルクパウダー、バターをナンバンカラスウリと混ぜ合わせて煮たものをビスケットで挟み込むという簡単なもので、爽やかな甘味があって、歯にくっつきません。一般市場では販売されていないこのナンバンカラスウリヌガーをお土産として持って帰り、家族や友達と分け合いましょう！（写真提供：FB@成功鎮農會）

成功鎮には清らかな山や泉があるだけではなく、十分な日照時間と太平洋から流れてくる温かい海流があり、この場所で育ったコーヒー豆には熱帯の島国らしい特徴である深くまろやかな味わいが楽しめます。成功鎮の農民は10年前より休耕中の田んぼを利用したコーヒー豆の栽培を行っており、現在コーヒー豆の栽培地は15ヘクタールまでその面積を増やし、毎年約7000キロのコーヒー豆が生産され、台東の有名な農産品の一つに数えられています。コーヒーが好きな方なら焙煎方法と豆の挽き方がコーヒーの味わいに影響することはご存知なはず、是非成功鎮を訪れ擂咖啡（コーヒー豆挽き）体験に参加し豆の焙煎と豆挽きの楽しさを知りましょう。

インストラクターによる指導の下、小型直火式焙煎機を使い焙煎体験を行い、たった10分で生豆が香り高い熟成豆へと変化し、室内はコーヒーの香りで包まれます。豆を挽くのに一般的なお店ではコーヒーミルを使用しますが、このお店では擂茶（穀物をすり鉢で磨ったものにお湯を入れて飲む客家料理）の作り方に習って豆を挽いていきます。粉末状にする際、鼻腔をくすぐる香りは心を幸せで満たしてくれます。また力の入れ方によって味わいに変化が生まれるので出来上がったらドリップして味わってみましょう。完成した豆は絵を描いたドリップパックに詰めてお土産にすれば、自分で焙煎したコーヒー豆はコーヒー好きにとって心遣いの感じられる素敵なプレゼントになることでしょう。（写真提供：FB@成功鎮農會）

黒潮と親潮が合わさる場所である成功漁港は漁獲量が豊富で「カジキの故郷」としても知られています。海産物が好きな方ならば是非丸昌漁行を訪れ、弾力があってぷりぷりとした食感の魚だんご作り体験に参加しましょう。丸昌漁行は成功漁港で有名な老舗海産物店、魚だんご作りに当たり「刺身として食べられる鮮度のカジキ」を材料として使用することにこだわりを持っており、塩や砂糖といった調味料を控えめにすることでお客さんが素材の持つ甘さや新鮮さを味わえるよう気をつけています。体験教室では魚だんごのレシピと美味しさの秘訣を学ぶと共に、手作りと業務用で使われている素材の違いについて知り、食の安全への意識を高めましょう。インストラクターの指示に沿って用意した素材にカジキとさつまいもの粉末を加えて混ぜ合わせる事でぷりぷりとした食感が増してゆきます。丸いおだんご状に手で形を整えたものを鍋で煮れば完成、出来立ての美味しさを召し上がれ。（写真提供：FB@丸昌漁行）