10月7日、台東県アウトリガーカヌー協会とニュージーランドの造船師ヒーミ・エルエラが、星空コンパス彫刻柱「Pou Haere(ポウ・ハエレ)」を台東県政府に寄贈し、饒慶鈴県長が代表して受け取りました。今後、東・南・西・北の四方位を象徴する柱を順次完成させ、2026年台東エキスポにその全貌を公開する予定で、学びと文化交流、そして太平洋航海の知恵を融合した公共空間を目指しています。

式典では、協会理事長の江伊茉が「Pou Haere」の文化的背景を説明しました。「Pou は『柱』、Haere は『歩む・旅する』を意味し、星の導きと知識の継承を象徴しています」と述べました。エルエラは祈りの詠唱を行い、饒県長とマオリの伝統的な挨拶であるホンギを交わし、文化交流と絆を示しました。この彫刻柱はマオリの工芸師と公東高工の師弟が共同で制作し10月4日に活水湖で除幕され、台湾でも初の設置物となりま。

饒慶鈴県長は、「県政府はオーストロネシア文化の深化を続けています。造船、航海、そして原住民族文化の復興を通して、台東をオーストロネシアの重要な航海拠点として発展させていきます」と述べました。2023年に始まった原住民族造船・航海人材育成計画では、2023年のLIMA 来造船(タオ族)、2024年のアミ族竹筏訓練、2025年の島々をつなぐオーストロネシア船などを通じ、異なる島の文化を融合させています。

2024年5月には、ミクロネシアの伝統船アリンガノ・マイスが杉原湾に寄港し、台湾各地の航海団体が集結。台東がオーストロネシア文化の交差点であることを改めて示しました。

文化処によると、「Pou Haere」はTe Tapuwae 伝統造船学校のヒーミ・エルエラを中心に、Hihiaua 文化センターの彫刻師パウタマ・ヘタラカ、シェーン・ハカライア、天文航海師ピリピ・スミス、そして公東高工の師弟らが協力して制作しました。

江伊茉は、「これは技術の習得だけでなく、文化の対話と心の交流でもあります」と強調しました。マオリの精神と技が若い世代に国際的な注目をもたらすことを期待しています。完成後、四方位を表す「Pou Haere」シリーズは、知識・交流・航海文化の象徴として立ち、台東が太平洋とつながる未来を見据えるランドマークとなるでしょう。



