
(写真提供:@biboooo875)
稲波と記憶の中で紡がれる大地の物語
池上の物語は「大坡池の上」に築かれた集落を起点としています。この湖はかつて東台湾最大の天然内陸湖であり、豊かな生態系を育むとともに、人々が水と共に生きる暮らしを形づくってきました。かつて住民は竹筏で漁を行い生計を立てており、現在の竹筏フェスティバルは、地域の記憶を呼び覚ますと同時に、水と共生する文化を受け継いでいます。
清代の拓墾地「新開園(しんかいえん)」の歴史から、日本統治時代の農業組織と街路整備、そして戦後の多様な人々の融合を経て、池上は独自の歴史を歩んできました。農地は単なる生産の場ではなく、文化を包み込む器でもあります。古い田畑には先人の営みの痕跡が残り、人と自然が共に働く詩的な日常を静かに物語っています。

(Photo credit: @ashi.graph)

(Photo credit: @sy_tai00)
池上の人文的な魅力は、賑わいに頼ることなく、山影と田の畦道の間にそっと広がっています。ここでは暮らしが季節と歩調を合わせ、文化は大地から育まれます。池上を訪れることは、景色を眺めるだけでなく、時間・風景・人が織りなす深い記憶の中へと足を踏み入れる体験なのです。



