台東県の饒慶鈴県長は4月18日、県内各市町村の代表と県政府訪問団を率いて利嘉淨水場と關山圳にある二つの小水力発電施設の視察を行い、小水力発電が異なる環境においてどのように効率よく自然環境と共存できるのか、そして台東県にどのようなグリーンエネルギーが適しているかについて探究し、台東をさらに一歩持続可能な発展を可能とするグリーンエネルギーシティへと近づける期待を示した。
利嘉淨水場は台水会社が推進する全国初となる発電浄水場であり、利嘉溪の取水口から入ってくる天然水と浄水場の高低差を利用することで発電を行うこの施設の発電能力は130キロワット(kw)、年間で200世帯分の電力を賄える68万ワットを発電すると共に336トンの二酸化炭素排出量を削減しており、発電後の水もその後の手順を追い水道水として提供されている事から水質資源としても充分に利用が行われている。灌漑用水路として利用されている關山大圳も農田水利署が沈砂池と取水口の水位差を利用した発電に取り組んでおり、1,000キロワット(kw)の発電能力を持つこの施設では年間約400万ワットが発電され關山、鹿野、池上周辺の1,100-2,000世帯における一年間の電力全てを賄うことができる。発電後の水は全て關山大圳へ戻され關山鎮地区の農業灌漑用水として供給されることから多くのメリットを生み出す農業用水として機能している。
台東の環境特性を積極的に活かした再生可能エネルギーの開発にあたり、饒慶鈴県長は4月末に市町村の代表九名と県政府訪問団を率いて小水力発電場とエネルギー開発企業のあるスイスとオーストリアを視察、その運営理念と技術的特徴について理解を深めた。両国共に水力発電率が42%、66%と高く、地域に適した発電方法を用いる事により効率的で環境保護にも重要な役割をもたらしていることから台東で発電事業を行うにあたり見習うべき部分を多く知る事ができた視察となった。
自然環境に恵まれた台東県は豊富な日射量があることから太陽エネルギーの開発に適しており、豊富な地熱資源も有していることからグリーンエネルギー開発の大きな可能性を秘めている。再生可能エネルギーと都市の持続可能発展を推進する為台東県政府は臺東綠能推動辦公室(台東グリーンエネルギーオフィス)を設立され、県民のグリーンエネルギー申請のサポートなどが行われている。県政府は今後も引き続きグリーンエネルギーを推進しながら自然環境と資源を効果的に活用した再生エネルギー開発を行い、台東を環境に優しく生態系が豊かで社会と調和したグリーンエネルギーシティへと進化してゆく。