台東の蘭嶼と綠島はその独特な自然景観と豊富な生態系により多くの観光客を惹きつけている反面、観光産業の発展とともにひきおこされる環境汚染問題に直面している。
生態保護と観光発展を両立させる為、台東県環境保護局は2021年より「離島使い捨てコップ削減計画」を推進し、使い捨てプラスチック廃棄物を削減することでこの美しい土地を保護している。(Photo Credit:IG@oceanrelier, FB 南迴永續旅行聯盟)
台東県環保局の統計によると、リユースコップ計画を推進してから蘭嶼と綠島の使い捨てプラスチック廃棄物が顕著に削減、レンタルコップは1万回以上利用され、4万を超える飲み物カップと蓋、ストローとプラスチック袋を減少させることに成功、2023年には11ヶ月間で貸し出したカップ数が前年度の同時期に比べ3000個以上増加するなどの成果をもたらしている。他にも環保局では離島の飲食業者が再利用可能な食器類を提供することを支援し、クリーンビーチ、ホテルのプラスチックフリー宿泊活動などを企画し、年間を通して離島の廃棄物を計26万点を削減し、地元生態系の環境保護に積極的に貢献した。
離島リユースコップ計画の成功を受け、台東県環境保護局と南迴旅行永続連盟(South-Link eco Tourism Union)が共同でリユースコップ計画を太麻里、大武、金峰、達仁鄉等の区域まで拡大する計画に取り組んでおり、海岸線と縱谷線に持続可能なリユースコップのコンセプトを取り入れることで住民と観光客が台東を生態バランスが取れた都市として認識してくれることを期待している。現在指定宿泊施設やコンビニエンスストア、コップ返却所、原住民レストランといった30を超える商店でリユースコップのレンタルサービスが行われており、持続可能なプラスチックフリー観光を推進することで今後も使い捨てプラスチック廃棄物の削減が見込まれている。
この共同事業は台東県の環境保護についてのイメージをさらに高め、地元住民や観光客の環境意識に大きな影響を与えている。多くの住民が故郷の美しさが認められた事を喜ぶと同時に観光発展により引き起こされるかもしれないカーボンフットプリントを懸念していた。南迴旅行永続連盟はこれらの地域で削減計画を実施することで環境に及ぼす負担を減らし、台東の生態系保護と観光発展が両立できるよう取り組んでいる。
台湾では一人一杯、ドリンクスタンドで売られている飲み物を手にしているのが日常となっており、環境部の統計によれば年間40億個もの使い捨てコップが消費されている。もしこれらのコップを全てリユースコップに置き換えられればバイク24万台が排出する二酸化炭素排出量に相当する58,785トンを削減できると同時に84.5万立方メートルの水も節約可能だ。この事からもリユースコップ計画がどれだけ台東に重要であるかが理解できる。
リユースコップ計画は台東で成功をおさめ、この都市が環境保護と持続可能な発展において決意と革新を持っていることを示した。蘭嶼、綠島から始まり南迴地区まで拡大したこの計画は使い捨てプラスチック廃棄物量を効果的に削減し、地元住民と観光客の環境に対する意識をも向上させるなど国内外の台東に対する認識を変えつつあります。政府と地元組織の共同努力により台東の環境イメージと持続可能な開発目標はさらに強固なものとなり、世界にとって見習うべきロールモデルとしての立ち位置を確立することでしょう。