昔のロマンをもう一度
青い列車、再出発

台湾鉄道の普通列車として知られているこの青い列車は長い時間運行休止となっていましたが、この度観光列車として復活を遂げて10月末から運行が再開されました。一日に一度、屏東の枋寮から台東の太麻里を往復するこの列車は昔を彷彿させるロマンに浸かり、見渡す限りの水平線を楽しむことができ、心と体を癒やされることができます。この列車が走る路線は台東の南、「南廻」であり、かつてはあまり観光客が立ち寄らない場所でもありました。しかし今では列車で旅する方以外に、県道の開拓工事や衛生所の医者や看護師の増員、そしてインスタレーションや様々なアート関連のイベントを開催され始め、農特産品の品数もだんだん増えており、今では台東の新たな人気スポットになりつつあります。

以前は通勤や通学で利用されていたこの列車には沢山の方々の思い出が載っており、台湾鉄道南廻線の電気化が全面的に進められてから運行休止になりました。この青い普通列車はバシー海峡から太平洋を跨ぎ、雄大な山や海の景色を目に収めることができるため、鉄道ファンから「癒しの列車」という愛称をつけられるほど好かれておりました。この度観光列車として復活したことに多くの方が喜ばれ、片道3時間の旅にはガイドがついており、太麻里や金崙などで停車し、台東の原住民文化についての知識を深めるのに最適な旅でもあります。

人生の大半を台東に捧げた神父
Fr. Ernst Gassnerスイスへ帰国

台東で55年説法をし続けてきた85歳のErnst Gassner神父は先月ご高齢のため故郷のスイスへ帰国されました。長い間ずっと台東の人々を支え、地元の方の経済をもっと良くするために様々な努力をされた神父は社会福祉や教育にも尽力され、たくさんの県民を助けてきました。今回帰国になる際もたくさんの信者やお世話になった人々に見送られるなかで旅立ちました。

1936年生まれのErnst神父、台東のご縁は遡ること1964年になります。半世紀も前になりますが、スイスから離れ船で台湾基隆港へ到着した神父はまず説法がもっとスムーズに進められるよう2年をかけて中国語を学び、さらにアミ族やブヌン族、そしてタオ族の言葉もマスターし、1966年に台東の鹿野で説法を始めそのまま台東を離れることはありませんでした。鹿野や宜湾、成功、東河、泰源、都蘭などといった東海岸の郷鎮で宣教のみならず、各地で信用組合の立ち上げを協力し、現地の人々の精神面のみならず経済面でも支えてきました。さらに定期的に蘭嶼へ向かい、離島でも説法や人助けをされ続けました。1968年には宝華や瑞和などの場所で堤防の修繕工事や水田造りに手を貸し、1976年には鹿野で保育園を創設し、1985年に自治体が引き継ぐまで自ら管理されてきました。2003年には台東県の栄誉県民に選ばれ、2017年には台湾の国籍を入手されました。

帰国される当日の朝、台東空港には神父を見送るために県内各地からたくさんの方々が集まりました。さらに音楽会が開かれ、スイスの民謡「MUSS I DENN」というお別れの曲や桃源小学校のコーラスがブヌン族の歌謡メドレーを神父に捧げ、切なさが溢れる中で暖かく神父を見送りました。県長も感謝の気持ちを込めて、特注の腕時計を神父にプレゼントされ、常に心の中で台東のことを思い続け、県民のために祈祷してくださるように、そしていつでも第二の故郷である台東へまた帰ってきてくださるよう神父に伝えました。見送りパーティーが終えた後、駆け付けた人々は二列に並び神父にさよならを告げました。神父もみんなに手を振り、いつまでも台東のために祈りを捧げると伝え、ゆっくりと搭乗ゲートへ向かわれました。

2021台湾オープン・オブ・サーフィン 
新しいイベントと共に開催

台東年末の定番スポーツイベントとも言える台湾オープン・オブ・サーフィン、今年はさらにパワーアップして戻ってきました。台東といえば四季折々の風景が楽しめることで有名ですが、東海岸は見るだけでなく実際に海に入って楽しむこともできます。SUPやサーフィンなどのマリンスポーツが熱い台湾、その中台湾最長176kmの海岸線と緩やかな地形を有する台東はとてもサーフィンに向いている波が立つことで有名で、美しい景色と安定した波は「ASC国際サーフィン組織(Asian Surfing Championship, ASC)」や「WSL世界プロサーフィン聯盟(World Surf League)」により認定されたアジアで一番新しいサーフィン大会の会場であり、国際的なサーフィンスポットにもなっています。東北季節風により世界級の波が一つまた一つと来ては去り、国内外のサーファー達を深く魅了しているこの場所ではサーファー達が頂点をかけて競い合う台湾オープン・オブ・サーフィンが一年に一度この時期に金樽で開催されます。ここ2年はコロナ禍のため外国選手の受け入れは中止になっておりますが、国内のプロやプロを目指す人たちが勝負に駆けつけます。

冒頭で今年はさらにパワーアップしたと述べましたが、実は同じ時期にもっと沢山の人に海を楽しんでいただくべく、新たなイベントが今年から開催され、その名を「東浪カーニバル」と言います。名前の通り、東浪カーニバルはお祭り気分で気楽に参加できるイベントであり、老若男女を問わずに必ず自分に適した内容を楽しむことができます。杉原湾で開催される東浪カーニバルは陸海空において全区域を網羅したイベント内容が用意され、どれも見逃せません。大型の凧のパフォーマンスからインスタレーション、ビーチで映画鑑賞、音楽会、環境保護に因んだアートの展示、SUPレース・チャレンジ、ビーチバレー、マーケット、潮間帯ツアーやサンドアートなどと、紹介しきれないほどのイベントが盛り沢山。

外国選手が来れない今でも台東県はWSLのハイレベル大会の認定を取得し、初めてここ台湾で開催されるSpecialty Eventになり、2021年度のアジアで唯一開催されるWSL認定の大会にもなります。さぁ、マリンスポーツに興味を持つ方、或いは初心者の方、是非台東の海をその身で体験してみてはいかがでしょうか。

Coming Events

Dec
  • 2021 恋恋197サイクルロードレース
  • 2021 Pasiwaliフェスティバル
  • 2021 台東スローフードフェスティバル 台北華山1914文化創意産業園区
※新型コロナウイルスの関係により変更がある可能性があります。詳しくは各主催者のホームページなどでご確認ください。