Taitung Times Vol.04.2021 - time for taitung
ブヌン族の一大行事 『射耳祭』
ブヌン族の一大行事 『射耳祭』
  毎年恒例の行事として、アワの収穫祭後にブヌン族が再度集まるのがこの『射耳祭』。名前から見ると戸惑うこともありますが、本来この行事ではブヌン族の男性たちが鹿の耳を弓矢で射ることがメインイベントでありました。その他たくさんの儀式やセレモニーが行われ、ブヌン族の文化や暮らしをこの行事で目にすることができます。

  もともとブヌン族といえば勇敢な狩人や勇士というイメージがあり、この『射耳祭』自体が新しいジェネレーションに弓矢の使い方や狩の方法を伝授する場でもありました。行事が開始する前に、まず狩人たちは山へ鹿を狩に出かけますが、鹿は他の獲物に比べてスピードが速いため、ブヌン族は見事に鹿を射止めた人に一層の敬意をはらいます。

  他の原住民族と違い、ブヌン族は昔から台湾の中央山脈に分布して住んでおり、歴史上何度も移動された記録がありますので、もちろんその度に行事を行う場も変えてきました。しかし変わらないこともたくさんあります。まずは、狩から戻ってきた男性にブヌン族の女性は祝いの盃を用意し、彼らの勇気や果敢を讃えます。その後、ライフル銃の発砲とともに動物の骨を使った供養の祭典が行われ、続いては部落の青年たちがターゲットから15メートル離れた距離から弓矢を放ちます。ターゲットの様式は部落によって少し違いますが、一番小さな的を狙うことは共通しており、それがほとんど鹿の耳であります。祭典が終えた後、鹿の肉や他の獲物をみんなで分かち合うのですが、残してしまうと御法度ですので一つも残らず分けることがブヌン族の流儀。

  最後はもちろん、盛大なパーティーで締めくくります。現代のブヌン族の方にとっても、猟の技などを問われることがなくなってきましたが、『射耳祭』は今でもブヌン族をつなぐ一大行事であります。今は一般の方々の参加も可能ですので、ぜひこのブヌン族の文化をもっとも体感できるイベントに参加してみてはいかがでしょう。
東海岸で漁れる春や秋の味覚 シイラ
東海岸で漁れる春や秋の味覚 シイラ

世界の国々にはそれぞれの文化や環境の違いが存在するため、食生活ももちろん異なります。ある国では高級食材として扱われても、他の国では廃棄されることも。しかしグローバル化・現代化が進み輸送も便利なったため、世界各地の食材が各国に行き渡るようになり、本来自国では経済的価値が低かった物も輸出することによって大きな収入源に変わります。今回ご紹介させていただくのはシイラという、全世界の暖かい海に分布する表層性の食用の大型肉食魚。ハワイではmahi-mahiと称され高級魚として扱われ、日本でもこの名称で流通していますが、台湾の場合、その外観が包丁の形に似ているため「鬼頭刀」と呼ばれています。

台湾はシイラの年間漁獲量において世界ナンバー4でありますが、実際国内で食されることはとても少なく、産地である台東県以外ではあまり見当たりません。なぜ国内であまり広まっていないかというと、台湾人は日本人と同じく、脂が乗ってプリプリした食感の魚を好むため、白身であまり油脂がないシイラの人気がどうしても上がらないのはそこにあります。東海岸を中心によく捕獲され、台東では主に成功漁港の競りの場で見かけるシイラ、台湾ではつみれやスープ・鉄板焼き・蒸し物などにして食べることが定番。欧米の場合は魚をステーキにして食べることやフライにすることが多く、シイラはその2つの調理法にとても向いている故、欧米諸国、特にハワイでは名物料理としてとても人気があります。

台東で美味しいシイラ料理が食べたい場合、おすすめが2軒あります。まず1軒目は、成功漁港が所在する成功鎮の「王記」。ここでは毎日獲れたての新鮮なシイラのつみれやフライを店内で食べることができ、予め処理されたシイラも販売されております。そして2軒目は台東市にある『Mahi-mahi Today』、こちらはシイラのバーガーやスープのセットメニューが揃っており、台東を代表するシイラ料理のお店でもあります。まだシイラの味を知らない方、台東へ遊びに来た際にぜひ立ち寄ってみてください。
勇ましき者たちの食糧 木豆
勇ましき者たちの食糧 木豆

「琉球豆」という俗称を持つ木豆、インド東部やエジプトでもよく見かける食べ物ですが、台湾のアミ族・タイヤル族・パイワン族・ブヌン族やルカイ族などの原住民たちも昔から主食として扱っており、ほとんどの部落で見かけることができます。栽培化された起源は3500年前に遡りますが、台湾で栽培されるようになったきっかけは諸説存在し、最も有力なのが「日本統治時代より日本から伝わってきた」と「南太平洋から原住民が伝来した」の二説になります。風害に弱いという唯一の弱点を持つが、旱魃にとても強いため栽培はさほど難しくなく、部落の中では年配の方でも栽培されている方が多いです。

台湾原住民の三つの主な主食と言えば、アワ・タロイモ、そして木豆。タンパク質がとても高く他にもたくさんの栄養が含まれているため、原住民の重要な栄養源であり「豆の王様」とも認識されています。狩にはとても強い体力が必要なため、昔、狩に出かける原住民の方は必ず木豆を使った食糧を持って出かける伝統があり、これ故に木豆は「勇士の豆」とも呼ばれ、狩で獲れたジビエを木豆と一緒に煮立てた「勇士汁」こそ、次の狩のために精力をつける最高の一品。

他国の例として、インドでは剥いた木豆が菜食主義者の食事においてとても重要なタンパク源とされており、栽培地では野菜として若い莢も食しています。エチオピアの場合、豆のみならず若芽や葉も調理されて食されています。コロンビアのカリブ海沿岸やパナマ・ハワイなどでは缶詰として消費されており、ドミニカには米と緑色の木豆を用いった
イベント予告

四月
・2021年チャレンジ台湾 トライアスロン
・海端郷ブヌン族「射耳祭」
・郷長盃全国原住民伝統弓矢コンテスト

五月
・三仙台ナイトツアー
・小野柳ナイトツアー
・2021年金剛マラソン
・緑島長泳大会

六月
・2021池上竹筏フェスティバル
・2021第4回活水湖長泳大会
・2021 Starry Taitung ナイトコンサート・長濱
※新型コロナウイルスの関係により変更がある可能性があります。詳しくは各主催者のホームページなどでご確認ください。